経営者にとって、事業の安定や利益向上は永遠のテーマです。うまくいっているように見える会社にも、必ず何らかの問題がありますし、自社特有の強みが活かせていないことも少なくありません。そのように内部にいると気づきにくい弱みや強みを可視化して、さらに改善や強化ができるのが「経営診断」です。
このコラムは、経営コンサルタントによる経営診断とはどんなものかを解説し、経営診断を受けるメリットを紹介していきます。
経営診断とは?
この項目では、そもそも「経営診断」とはどんなものなのかわかるように、概要を紹介します。
「経営診断」とは、人間で言えば健康診断ですし、車で言うなら車検です。身体にしても車体にしても、気づかないうちに問題が発生し、大きな問題が発生したことで気付いて、治療や修理に多大な力を要することがあります。また、問題の発生具合によっては大変なことになる、という点では会社経営も同様です。
経営コンサルタントは診断のプロですから、経営者でも気づきにくい問題を指摘できますし、どのように改善していけばよいかのアドバイスも可能です。
経営診断の項目
ここからは、経営コンサルタントが行う経営診断を、より具体的に説明しましょう。
多くの場合、コンサルタントは最初に経営者と面談を行って、経営の方向性や目標などを聞き取ります。それから、診断する企業の特徴や業界の環境、顧客やパートナー企業の状況を確認していきます。また、口頭の聞き取りだけでなく、財務状況や資産状況、業務形態や貸借対照表、損益計算書などの内部的な数値情報も預かって、細かく分析をすすめます。さらに、組織や社員との面談も行って、経営者が思っている実情と労働レベルでの乖離が無いよう情報収集をすすめます。
そのうえで、経営者が目指す未来像を実現するために、現状の問題点や目標達成のための戦略などを提案します。
経営コンサルタントが出した提案に価値があると経営者が判断し、継続的なサポートを望まれれば、定期的に改善の経過を確認し、必要に応じたアドバイスを行います。
経営診断をするメリット
この項目では、経営診断を受けることのメリットを記載します。
経営していく上でのリスクを把握・排除するきっかけになる
経営診断を受けると、経営改善のプロフェッショナルが状況を確認することで、経営者や従業員が気づきにくい問題点を可視化できます。リスクがあらかじめわかっていれば、大きな問題が起こる前にトラブルを回避しやすくなりますから、回収不能な赤字を出すような事態を未然に防ぐことができます。また、問題点の改善を具体的に実施できるきっかけを得ることができるのも、外部の力を借りた経営診断のメリットです。
実際に自社に問題があることはわかっていながらも、どこからどう手を付けて良いかわからないという状態で悩んでいる経営者も少なくありません。また、内部の目だけで診断や改善を行うと、客観的な判断ができずに、診断や対策が甘すぎたり、厳しすぎたりすることもあります。さらに、内部の人員だけでは改善のプロセスが継続できず、途中で断念してしまうこともありますから、外部の判断や指導を得ることは、経営を改善するうえで大きなプラスになるでしょう。
具体的な経営改善の指標ができる
どの会社も、経営陣や幹部が集まって経営会議を行っていると思います。もちろん、社内で意見を出し合うことは非常に重要です。その一方で、社内には上下関係や忖度などがあって、時には客観的に見ると好ましくない決断が行われることもあり得ます。また、何らかの改善策が出てもそれが具体的でないために、経営改善の効果が出にくいということもあります。
その点、経営コンサルタントが介在すれば、経営改善の指標を冷静に作成できますし、計画は具体的に提示されます。そのため、会社の生産性を高めることや、組織の最適化なども期待できます。
自社の強みを把握することができる
経営診断というと問題点の把握や改善が語られがちです。しかし弱みばかりでなく、自社特有の強みを再確認できるのも大きなメリットです。
各企業には創業からの沿革やこれまでの経験からくる強みや、取引先との関係性の強み、既存の人材や設備からくる強みがあります。客観的な視点で見れば、社内では当然のことでもそれを強みとして伸ばすことで成長につなげられることは少なくありません。
経営診断をするタイミングと頻度
ここからは経営診断を行うタイミングや頻度について解説します。
経営の悪化が浮き彫りになってからでは経営診断の効果は薄い
経営診断が健康診断や車検に例えられるのは、大きな問題が起こる前に行うことで有効性が高いという点でも共通性があります。業績悪化などの問題が大きくなってから対処しようとしても、時間も費用も余計に使うことになりますが、問題が起こる前なら比較的対処しやすいのも同様です。
そのため、特に問題がないときや、問題が初期状態の時にぜひ経営診断を受けてください。
数字をベースにした経営診断は毎月行っても良い
大きな問題点の抽出や改善プランの作成はたびたびおこなうものではありませんが、損益計算書や貸借対照表などの数字をベースにした経営診断は毎月行うことをおすすめします。
毎月の診断を行うと、大目標に向かって改善が進行しているかどうかや、新たな問題が発生していないかを確認できます。また仮に改善計画と現実の乖離が起きた場合も、毎月のチェックを行っていれば軌道修正が早くできます。
人をベースにした経営診断は数年に1回のペースで行う
組織編成など、人に着目した経営診断については、あまり頻繁に行うより、1~3年に1回程度が適切です。企業ごとに期末や半期末に上司との面談を行うこともあるでしょうが、経営診断の場合それとは別枠で、第三者が進めることが重要です。
組織として上下関係の中ではぐくまれるものもあるでしょうが、経営診断を行うには客観性が欠かせないからです。
ブルック・コンサルティングがサポートできること
中央区銀座に位置するブルック・コンサルティングは、経営診断を得意としています。各企業はそれぞれに強みと弱みを必ず持っていますから、当社は多くの経験と豊富な経営理論に基づいて、弱点を克服しつつ優れた点を伸ばすためのアドバイスができます。
また、経営改善のために資金が必要な場合、融資や補助金・助成金のサポートを行うなど、財務面での後押しもできます。さらに、事業継承やM&Aの相談に乗ることもできますので、経営上困ったことがあればぜひご相談ください。
まとめ
「経営診断」とは何か、という疑問を解消し、経営改善の項目や、受けることのメリットをまとめました。
会社経営は内部の目だけで見ていると客観性を失いやすく、順調なようでも思わぬ失敗をしてしまうこともあります。そのため、経営コンサルタントが客観的に状況判断をすることには大きな意味があります。
ブルック・コンサルティングは机上の提案を行うだけでなく、経営改善に財務面のサポートが必要となったときに、融資や補助金・助成金獲得のためのサポートも行いますから、改善の遂行でもお役に立ちます。起業の経営改善、資金調達をお考えであれば、多数の実績を持つブルック・コンサルティングにお気軽にご相談ください。