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ホワイト企業として運送業を経営していく上での注意点とは?

「運送業」というと、現実よりも「力仕事や長時間の運転が多い仕事」というイメージが持たれがちで、「ブラックな業界」というネガティブな見方をする人もいます。会社としての印象が悪いと、どうしても新規雇用が難しいので、運送会社を安定的に経営していくことが難しくなります。

そこでこの記事では、「ホワイト企業」であることを印象付けるために何をすべきかを、経営者目線で記述していきます。

運送業で「ホワイト企業」と呼ばれるようになる要素

この項目では、運送業界が「ブラック」にとらえられやすい側面を紹介したうえで、ネガティブなイメージを解消するためのポイントを記載します。

営業所やトラックを清潔に保つ

例えば従業員を募集した場合、面接に来た人は営業所や車庫、トラックなどが衛生的でないと「ブラックな会社なのでは?」と思うかもしれません。また、トラックは企業名を背負って走っていることも多いでしょうから、車体が汚れていると世間にマイナスイメージを振りまいていることにもなります。

業務が多忙で清掃にまで手が回らないということもあるでしょうが、少なくとも人目につくところは清潔に保つことが非常に重要です。多くの場合、清潔さを欠く職場は物品の管理も雑になりがちですから、必要なものが使いたいときに見つからない、といったトラブルが起きがちです。そのため、清潔を保つことで整理整頓も心がければ業務の効率改善もできます。

また、従業員の服装なども意外と近隣の住民は見ていますから、ドライバーだけでなく事務職員も清潔さを維持しておくことをおすすめします。

設備などが充実している(最新のものを揃えている)

設備の拡充には費用的な負担が伴うので、常に最新のものをそろえるのは難しい面もあるでしょう。とはいえ、会社規模に見合った設備投資をしていることは非常に重要です。新規に雇用する場合、応募者は同業他社をすでに見ている可能性が高いですから、どうしても設備の良さなどには目が行きます。

また、すでに雇用している従業員も、就労環境を他社と比べていることは多いでしょう。例えば積み込み時に設備が利用できて身体の負担が少ない他社と、いつまでも手作業にこだわっている自社とを比べると、転職を考えるきっかけにもなるかもしれません。

トラックドライバーの不足は運送業界の深刻な問題となっていますから、今雇用している貴重な戦力を手放さないためにも、設備の拡充は経営者が考えるべき大きなポイントです。

残業時間(拘束時間)が明確化されている

運送業に従事する会社は、比較的就労時間が長いと言われています。道路の混み具合や客先での荷待ち時間などにも左右されるので、会社やドライバーだけの責任とは言えない部分はありますが、残業が多い会社は近年はっきりと嫌われる傾向があります。また、拘束時間が不明瞭な会社はいわゆる「ブラック」と認定されがちです。

さらに、すでに取り決められている働き方改革関連法案によって、2024年4月にはトラックドライバーの年間残業は960時間に制限されます。そのため、ぜひこの機会に残業時間を明確化して従業員のストレスを減らしましょう。

正社員としての雇用が多く、風通しが良い

従業員を正社員として雇用しているかどうかも、ホワイト企業と認識されるための大きな条件です。

「できるなら正社員として雇用したいけど会社の財政的に難しい」という場合は、厚生労働省のキャリアアップ助成金を利用する方法もあります。キャリアアップ助成金とは、非正規の従業員を正規雇用することを費用面で助成するシステムです。雇用状態が安定すれば従業員のモチベーションも向上しますから、この機会にぜひ検討してみてください。

また、会社として風通しが良いこともホワイト企業の重要な条件です。逆に情報開示をしないとブラック企業と思われやすくなりますから、経営状態や決算報告などに従業員がアクセスしやすくするなど、情報開示を工夫しましょう。

ホワイト企業化を阻害している業界の懸念

ここでは、運送業界がブラックと見られがちな問題点を記載していきます。

ドライバーの絶対的な不足

運送業界のドライバー不足は2012年頃からささやかれていましたが、ここ数年で明らかになり、慢性化しつつあります。

2021年5月発表の数値では、トラックドライバーの有効求人倍率は全産業平均のほぼ2倍にもなっています。これを単純化して言えば、平均的な業界よりも人手不足の深刻さが倍になっているとも言えます。

また、ドライバーの高齢化も大きな問題となっています。厚生労働省が2020年に出した「賃金構造基本統計調査」によれば、全産業の平均年齢43.2歳に対して、大型トラックドライバーの平均年齢は49.4歳と、6歳以上も高いことが明らかになっています。

参考:https://www.mlit.go.jp/common/001242557.pdf

経営規模の拡大に伴う社員の実情の把握の煩雑化

利益拡大、経営安定のために会社規模を拡大するのは良いことです。しかし、従業員が増えると、勤怠管理や業務報告の管理などが煩雑化して、勤務の実情が把握しにくくなる傾向があります。

特にドライバーの場合、出掛けることが仕事ですから、管理は一般事務職よりしにくい側面もあります。

原材料費・設備費などの高騰

梱包などに使う原材料費や、設備にかかる費用、燃料費などの高騰も会社経営を圧迫する要因です。物品や燃料費の値上がり自体は社会情勢によるものなので抑えられませんから、業務の範囲内でエコや効率化を進める必要があります。

配送ルートの見直しやエコ運転、高速道路の利用で燃費向上などを検討しましょう。

働き方改革などの制度の追加

ホワイト化を促進するのは大切なことですが、国が労働基準法を強化することでかえってドライバーが苦労する例もあります。

例えばトラックドライバーの1日の運転時間は9時間と規制されています。事務所で働く人なら、既定の時間になったら残りの仕事は翌日に回して帰宅することもできるでしょう。しかし、ドライバーはトラックをどこかに置いて電車で帰るわけにはいきません。そのため、規定時間を加味して高速道路のサービスエリアなどで車中泊するようなことになります。
あと1時間、または30分走れば事務所や自宅に帰れるとしても、法を守るなら無駄な車中泊をすることになるわけです。

もちろん法令ですから、規定時間内で運転を終えるように運行計画も練りますが、運転という仕事は天候や渋滞に左右されるので、予定通りに進まないことも多いのです。

ブルック・コンサルティングがサポートできること

中央区銀座に位置するブルック・コンサルティングは、経営改善のための資金サポートを得意とする会社です。

ブラックと見られがちな運送業界としては、設備投資や正規雇用を促進して、ホワイト化を目指したいところですが、資金面での不安も少なくないでしょう。そのため、まずは経営状態の改善を行い、プロフェッショナルのアドバイスによる資金調達を受けて、財政面の不安を減らすことをおすすめします。

また、ITシステム導入や人材雇用などに関して助成金や補助金の利用を考えている会社には、申請作業のサポートも行っています。

まとめ

ブラックに見られがちな運送業を、ホワイト企業として正当に評価されるための方法をまとめました。コラム内では運送業の厳しい側面も記述していますが、運送の需要自体はネット通販などの影響で多数存在していますから、業界全体の未来が暗いわけではありません。ぜひこの機会に、経営改善や補助金・助成金の申請を前向きにご検討ください。

運送業の経営改善、資金調達をお考えであれば、多数の実績を持つブルック・コンサルティングにお気軽にご相談ください。