企業としての業績が思わしくないときには、「経営改善」という言葉が叫ばれます。しかし、「経営改善」という言葉が具体的には何を指しているのかは、経営を行っている人でもあまり説明できないケースも少なくありません。
そこでこのコラムでは、企業の経営改善の具体的な手法を紹介し、それぞれの状況にあった改善に着手するための知識を提供します。
そもそも「経営改善」とはどういうことなのか
「経営改善」は文字通り経営上のさまざまな要素を見直して、業績を上げていくことを指しています。
しかし、経営改善の手法を理解しないまま漠然と取り組んだ場合、根拠のない利益目標を立てて、精神論を叫びながら、従業員に無理な労働を強いるということになりかねません。また自社にマッチしない成功例を模倣してさらに状態を悪くするというケースもしばしば見られます。
経営改善は過去多数の経営者やコンサルタントが考えだした具体的な手腕を用いれば、適切な労力を持って実現することが可能となります。
次の項目から、経営改善のための具体的な着目点を解説していきましょう。
経営改善の考え方
ここでは、経営改善に必要な考え方を3つの項目に分けて紹介します。
経営戦略面の改善
経営改善で最初に着手すべきなのは戦略面での改善です。細かいところばかり先に着手するより、企業としての方針となる戦略を考えることが優先だからです。
とはいえ、いきなり戦略の改善と言っても、どこから手を付けるべきなのかわからないという経営者の方も多いでしょう。そこで5つのステップによる戦略改善を以下に記載します。
目標立案→課題の確認→解決策の検討→リスク管理→戦略共有
これら5つのステップをたどることで経営を改善していく手法です。最初に会社が到達するべき未来像をしっかり考えることで、目先の課題にとらわれない戦略改善に着手しやすくなります。
また、戦略立案のためにしばしば用いられるSWOT分析という手法もありますが、それについては後の項目で詳しく説明します。
上記のどちらの手法を取るとしても、最初に改善すべきなのは経営者の考え方や行動指針です。まず経営者が変わらなければ、従業員は「無理難題を押し付けられた」と感じて後ろ向きになるからです。一方、経営者が率先して改善に乗り出せば、従業員の本気度も上がります。
経営財務面の改善
財務面の改善を行うことでお金の流れが正常化し、資金繰りが楽になります。財務面の改善には、下記の5つの要素の分析が必要です。
収益性→安全性→活動性→生産性→成長性
収益性は売上と利益の関係を見て取引収益を上げる手法と、資本の活用を効率化して資本収益を上げる手法に分けることができます。
安全性の分析とは、貸借対照表から収支バランスをチェックする分析手法と、キャッシュフローをチェックする分析手法が代表的です。
活動性分析とは、資産の活用度合いに着目することを意味しています。このためには、在庫回転率や固定資産回転率、売上債権回転率や総資本回転率を指標として見ていくことが重要です。
生産性分析というと、従業員の生産性を示す労働生産性に注意が向きがちですが、資本に対する付加価値を見る資本生産性と、人件費の適正度合いを見る労働分配率も合わせて検討しましょう。
成長性分析は、文字通り自社の成長を確認することです。指標として代表的なものに、総資産増加率や売上高増加率、利益増加率や従業員増加率などがあります。
経営管理面の改善
経営管理面の改善は、経営戦略や経営財務の改善を踏まえて人事、財務、労務、生産、販売などの具体的要素に着目し、リソース配分を的確化することで利益の最大化を図ることを指しています。
経営管理の改善を実行するには、業務管理や予算、収益の管理と、資産や債務、会計などの財務管理、生産や販売、マーケティングやサプライチェーンの管理などすべての要素が停滞しないように可視化する必要があります。
いずれの改善もPDCAサイクルを意識することが大切
経営戦略、経営財務、経営管理の3つを改善するには、常にPDCAサイクルを意識する必要があります。
計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)を意識していれば、目標からそれることなく取り組むべき課題に集中できますし、問題が発生しても軌道修正しながら改善を進めていくことができます。
代表的な経営改善手法
ここからはさらに具体的な経営改善手法を紹介します。
SWOT分析
SWOT分析は戦略改善の手法のひとつです。会社の内部環境である強み(Strength)、弱み(Weakness)と、外部環境である機会(自社に良い影響を与える外部要因Opportunity)、脅威(自社に悪影響を及ぼす外部要因Threat)を考えることで、経営戦略を見直すことが可能となります。
損益分岐点(CVP)分析
損益分岐点とは、利益にプラスやマイナスが生じない販売数や売上高を指すポイントです。損益分岐点はコスト(Cost)、販売量(Volume)、利益(Profit)を分析することで把握できるので、経営改善を行う際はCVP分析という言葉がしばしば使用されます。
損益分岐点を知っておくことで、企業として最低限維持すべき売上高を把握でき、利益維持のための固定費と変動費を下げるきっかけを得ることも可能です。
さらに損益分岐点に相当する売上高を低く設定できれば、売上が減少しても利益を維持しやすくなるメリットがあります。
KPIの利用
KPIとはKey Performance Indicatorの略で、企業としての目標が達成できているかを確認する指標を意味しています。
KPIの設定は企業ごとに異なりますが、従業員の行動指針を明確にできること、利益などの評価基準を分析しやすくなること、目標共有によって社内の向上意識を上げることなどを目指して設定することが重要です。
ブルック・コンサルティングがサポートできること
経営改善や資金調達のサポートを得意とするブルック・コンサルティング社では、経営状態を良くするさまざまな提案や、財務状態を良くする適切な手法を紹介することができます。
財務面でお困りの場合、金融機関に帯同するなどして元金返済の延期と追加融資の依頼を補助し、金融機関向けの事業計画書作成をサポートすることができます。この場合、御社から当社への支払いは融資が成功した場合にのみ支払う完全成功報酬制なので、無理な負担はありません。また報酬額は公的機関からの補助があるため、本来の1/3程度で結構です。
さらに、ブルック・コンサルティングは補助金や助成金、ファクタリングの利用にも精通していますので、悪化した財務状況を改善して事業に集中する環境作りをサポートすることも可能です。
まとめ
経営改善を考えている企業に向けて、経営改善の概念を説明し、すぐに役立つ具体的な手法を紹介しました。経営改善はやみくもに行っても、なかなか成果は出ません。しかし、適切な知識を持って正しい手法を利用すれば、経営状況をプラスにすることは可能です。
もし、経営財務面での改善が難しいとお考えの場合、まずはブルック・コンサルティングにご相談ください。当社は経営財務面の改善のための提案や、補助金・助成金・ファクタリングのサポートを得意としていますので、財務状況を上向きにする様々な手助けが可能です。
また、ブルック・コンサルティングはM&A後の円滑な事業支援なども行っております。経営改善や資金調達をプロに相談するなら、豊富な知恵と多数の実績を持つブルック・コンサルティングまで。